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1.Partenza

 人それぞれ「幸せ」を感じる瞬間ってありますよね...多分。美味しいものを口いっぱいに頬張る時、好きな人と手をつなぐ時、新しい靴を履いて街を歩く時などいろいろあるものです。僕にとってのそれは、何年も前にひとりでRomaへ行った時のこと...ずいぶんと歩き回った後、お気に入りのリストランテのテラス席にすわり、白ワインで疲れをいやしていた瞬間でしょうか。6月のRomaといえば木々の緑も淡く、その枝々からこぼれる午後の日射しは少し気だるい様子。でも、そんな感覚を青い空の下を流れる風が押し流して、心地よい時間を運んできてくれる。そんな中で感じた浮遊感は、まさに「幸せ」を感じれた瞬間でした。日々の何事にも縛られない、しがらみゼロの状態はまさに異邦人。世界中で自分ひとり、他の景色を見ている様でした。ひとり蚊屋の外なんて少し寂しい気もするけれど、そんな時こそ自分の存在価値や、今まで歩んできた道程を振り返る事ができるのではないでしょうか?旅先では、思いも寄らない場所で「幸せ」に出会うことがある様です。では、そろそろ「幸せ」旅行のCheck inがはじまった様です。みなさん乗り遅れのないように。

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緊急報告!

 今回の旅行は思いもよらない事件が起ってしまった。それは31日の夕方、RomaからFirenzeに着いてしばらくしての事。なんとサイフをすられてしまったのだ!!
まさか自分にこんな事が起るなんて...。勝手知ったるイタリア。言葉も通じるし、今やたくさんのイタリア人の友達もいる。ましてRomaに比べたらFirenzeなんて行儀が良くってチョロイと思っていた。そんな慢心した気持ちに悪魔が忍び寄り、神様も戒めの鉄槌をくだしたに違いなかった。
 

 正確な現場は分らないけれど、おそらくはDuomoからS.Lorenzo教会に抜ける通りあたりだと思う。日曜日ということで多くの店は休みなのだが、その分通りのあちこちで物売り達が商品を地面に並べ、それを目当ての観光客達でけっこうな賑わいになっていた。予約をいれたトラットリアへ行くにはまだ時間もあるし、ゆっくり街の雰囲気に浸ろうと肩掛けタイプのカバンを後ろにまわしてふらふら歩いていた。今思えばこのカバンを後ろにまわした時点で、すでに黄色信号が点滅していたに違い。ましてPuccoさんはこの通りの雰囲気にイヤな予感がしていたらしいが、当の本人はまるで何も感じていなかった。普段からともすると幽体離脱状態になり、抜け殻の様になってしまう悪癖がありますが、今回もどこか心ここにあらずという感じがあったかも知れない。
 7時に買い物をした時はあったサイフが、7時半過ぎにはもう無くなっていた。「カバンのファスナー開いてるよ。」というPuccoさんの言葉に、アレッと思いカバンの中を探るとあるはずの物が無い。半信半疑だったけれど、やっぱりサイフが無い。一眼レフカメラとデジカメはあるけれど...落としたか?...いや、やっぱり盗られたんだ!!一瞬まわりの景色が暗くなる。夜だけど何か別の闇に包まれた様だ。楽しいはずの旅ももう終わり...頭の中で舞台の幕が降りていく気がした。サイフの中には少しの現金とクレジットカード2枚、そして帰国してから分かったのだけれど免許証もは入っていた。幸いホテルは近くなので、カードを止める電話をする為に小走りで戻る。方向音痴の上、すっかり動転して道を間違えそうになる。こんな時やはりパートナーの存在は大きい。いてくれるだけで心強いし、ホテルへの正しい道だって教えてくれる。
 

 部屋に戻って電話をしようとするが、またまたトラブル。カードナンバーや緊急デスクのTELをひかえたメモはスーツケースの中。そしてそのカギはやはり盗まれたサイフに入っていた。気持ちはあせる一方だが、持ってきたガイドブックにも各カード会社の緊急連絡先が載っていたはず。探し出してまずVカードへ連絡する。今やこうした電話はフリーダイヤルでかけられるようになっている。ダイヤルすると日本人の方(田中さん)が対応してくれ、事情を話す。カード番号が分らないと伝えると、カードで買い物したレシートが無いかと訪ねられる。そうだ!Romaを発つ前にセーターをカードで衝動買いしたじゃないか。何が幸いするかわからない。もちろんレシートもとってある。助かった!田中さんに教えてもらいながらレシートからカード番号を見つけだし、手続きをお願いする。こうした各カード会社の緊急連絡デスク(今回連絡したところは双方ともイタリア外の様子)は、あくまでもこうしたトラブルなどの届けを代行して日本へ連絡するだけの機能らしく、実際カードが停止できたかは折り返しの連絡になるとの事。とりあえず電話を切り、こんどはMカードへ連絡する。こちらは 日本人オペレーターはおらず、英語を話すシェリーさんが対応してくれた。しかしこちらは英語はまるでダメ。ジャパニーズ プリーズと懇願すると、日本人通訳を呼んできてくれた。英語で話すよりは当然楽なのだが、この女性通訳の方「JUNICHI:J is JAPAN .U is...」と名前だけでなく住所においてもこんな感じなので、とても時間がかかる。もちろん間違えの無い様にとの事なのだが...。おまけにこちらの返事が曖昧だと、どうなんだと捲くし立て、挙げ句に「私は通訳するだけなので、はっきりしないとシェリーに伝えられない。」と言い出す始末。いくら自分のカードだって、不確かな事だってあるだろ!まったく。田中さんとのやり取りで手順も分り、この状況を楽しめる位の気持ちになっていたので、この女性通訳には全く呆れ果ててしまった。シェリーさんの英語の雰囲気を聞いていると、かなり優しく対応してくれているのは間違いないのだが...。このMカードは旅行中どころか、一年以上使っていないので先ほどの様な技は使えない。とりあえず名前と住所でカード会社にあたってもらうことにした。こちらのデスクでは、カ−ド停止が完了した場合は連絡は無く、問題があった時のみ連絡をくれるとの事。ウ〜ン今一つだ。Mカードとの電話が長くなったのでVカードの田中さんへ連絡を入れると、日本への連絡が済み停止の手続きが完了したトの事。ひとつ山を越えた気分だ。
 こうなるとがぜん余裕がでてきて、スーツケースに気持ちが行く。カギといっても大したものでは無い。Puccoさんのヘアピンを借りてカギ穴をコチョコチョっと...あっ開いちゃった。また気持ちが元気になる。カードナンバーを控えたメモを取り出し、早速Mカードへ連絡。先ほどの女性通訳とは話したく無いので、電話に出たオペレ−ターにカードナンバーを伝える。これでやっとカードを止める手続きが完了。盗難発覚からここまで一時間足らず。まあ上出来でしょうか?


 さて次は、田中さんに「できれば現地の警察に届けを...。」言われたので、ホテルのフロントでPoliziaの場所を聞き、夜の街へ戻る。当然カバンは体の前。手でファスナーを押さえている。イタリアの治安組織は複数あり、代表的なのがPoliziaとCaravinieri。
まあいわゆる警察と軍警察という関係。さて、ホテルからより近いPoliziaのオフィスへ到着したものの、入口は閉ざされて真っ暗。日本では警察が休みなんてありえないが、ここはイタリア。なんでもありなのだ。インターフォンで中の人と話すと今日はここは閉まっており、自分も外へは規則で出られないとの事。明日は開くけど明後日はなんだかまた休みらしい。Caravinieriへ行けと言っているが、何処にあるのか分らない。これは泣き落ししか無いと思い、インターフォン越しに日本人旅行者で良く分らないと言うと、やっと表に出て来てくれた。手にした地図にCaravinieriのオフィスの場所を書き込んでもらうと、ホテルをはさんで反対の方向にある。幸いFirenzeは小さな街。歩いたって訳はない。25分程歩けばもう目的の場所。立番をしている人に盗難の届けを出したい旨を伝えると、担当がはずしているらしく5分待ってと言われた。まあ5分は10分になるのは当たり前。それでも15分もしない位に担当のオジサンが現れ、手招きされるままオフィスへ入って行く。おおらかと言うか適当というか...書類の作成もなんだか適当。こちらも今や好奇心のかたまりになっているので、笑いをまじえながら書類に記入して行く。出来上った書類はコピーをとり、オジサンがポンポンとスタンプを押してくれて、はい終わり。じゃ、さよなら...という感じ。こちらも盗難届のお土産ができて、けっこううれしかった。カードも止めたし、届けも出した。ここまでくればもうする事も無い(?)。

 ほっとっするとやっぱりお腹も減って来る。時間はちようど10時になる位。いくら夕食のスタートが遅いイタリアでもさすがに遅すぎる。予約していたトラットリアも事情を話し、キャンセルをしているし...。(いろいろ心配してくれた上に、次の機会にサイフなしでおいでと言うあたりはイタリア人らしいところ)
 飽食の旅になるはずが、今夜は切り売りのPizzaかと思っていると、なにか触手にふれるエノテカを発見。聞くと12時までやっているとの事。お互い興味をひかれるワインを注いでもらい、トスカーナのサラミやペコリーノチーズで乾杯。上品な店の雰囲気と美味しいワイン...とてもサイフを盗まれた旅行者とは思えない。ほとんどの現金は別にしていたのと、Puccoさんのカードが生きているので、旅の資金には不安がないという訳。

 すっかりワインを堪能してホテルに戻ると、やはりカードのその後が気になる。まず今度はMカードから電話。ハッと気付きイタリア語オペレーターを選んでみる。(英.伊.スペイン語から選択可) カードの停止が間違いなく出来ているか訪ねると、大丈夫との答え。今度はVカードへ連絡。田中さんに変わり女性の方が対応してくれ、カードが使用された形跡があるか訪ねる。しかしこれはここの管轄では分らず、直接日本のデスクへ連絡をするしか無いとの事。ただしその際の電話はコレクトコールで構わないとの事で、連絡先を教えてもらう。日本へ連絡を取り用件を伝えると、しばらくしてカードのデーダに動きがでているとの答え。(M.Vカードはどちらも日本の同一会社発行の物だったので、問い合わせは1ケ所で済みました) カードはすでに停止しているのだが、それまでの1時間足らずの間に泥棒達は用を済ましていた様子。革製品店、スポ−ツ用品店の2件で、カード2枚あわせて30万以上使われている。Vカードは顔写真入りで、サインは2枚とも漢字なのに...。さすがに悔しい。日曜で開いている店が少ないし、特に1枚のカードは写真もは入っているので大丈夫かと思っていたけれど...甘かったようだ。でもこの結果を考えれば、泥棒の中に、同じ東洋人がいる可能性が非常に高いと言わざるおえない。もしくは買い物をした店も泥棒とつるんでいるとしか思えない。幸い不正に利用された金額は、カード会社が保険で補う為、僕に支払い義務が生じることはないのだが、それにしてもやりきれない。自分の油断が招いた事だけれど、こんな事でお金を楽に手にする人達がいるのは、本当に悲しい事。おかげさまで僕にとっては、事件が起きたのがイタリア、しかもFirenzeで幸いだった。もしこれがRomaだったら、いろいろな移動だけでもっと時間がかかったはず。まして他の国だったら言葉さえ上手くしゃべれない。Firenzeの様に小さな街だから早い対応が出来たし、イタリアだからなんとかコミニュケーションもとれた。そしてイタリアには力になってくれる友達もいるし、なにより最強のパートナーがいれくれて、なによりの助けになった。翌日からは楽しい旅の幕が再び上がった。Allora dove andiamo Pucco?

 P.S. 日本へ戻ると免許が無い事が発覚。旅行中は多分家に置いてきたはずと思っていたが...。「なんで免許なんか持ってくの?」とPuccoさん。返す言葉も無いかっ。
 いくら海外で無くしたからといっても、いつ国内で悪用されるとも限らない。他人の身分証で大金だって手に入れられる。こんな時どうすればとネット検索をすると、ちゃんとありました。助けてくれる所が。今回僕が利用したのはCCBとJDBの2団体。ここに身分証の盗難紛失を登録すると、第三者がその身分証を使って金融機関を利用すると、データ照会の際、盗難紛失届けが出ているという事で悪用を防ぐ事が出来ます。ヤミ金などに行かれると効力はありませんが、万一そうなっても支払いの義務はないらしい。良かった。
 後はやっぱり警察には届けを出しておく事でしょう。僕の場合海外での盗難という事で、お巡りさんはすっかり勝手がわからず、全く頼りないものでした。たのむよ〜。
みなさんも、何かの時は万全の手を講じて下さいね。

この旅のお話はまたご紹介していきますが、旅行を予定されている方がいましたら、どうそ僕の失敗を何かの役に立ててください。また詳しく知りたい部分がありましたらお問い合わせ下さい。分かる範囲でお返事差し上げます。 ではあらためてBuon Viaggio!

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